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新着情報 | 北九州の心療内科|大里クリニック北九州の心療内科・精神科 大里クリニック

「聖書」「論語」「精神医学」3点の日本語について

本日は、上記3点の日本語について思考を加えて参りましょう。前記2点の社会的認識につきましては、論を必要とはしませんよね。この2点の日本語の日本社会での存在価値、人気は決定的です。 およそ日本国において、心療内科、精神科医師として仕事を継続する上で、常に屈強な断崖絶壁として眼の前に立ち憚る鉄壁が、日本語として、2点存在いたします。即ち、「聖書」と「論語」であります。 小医には、この2点に匹敵するNAME VALUEは、「夏目漱石」、かな?イヤ、駄目です。小医には、「淀川長治」の方が、今後、「漱石」を超えそうに見えます。前世紀最大の文化、「映画」に精通されていました。残念ながら、彼の弱点は書物を、多忙さの為かあまり残さなかった事です。 3点目の「精神医学」は、前記2点を凌駕する勢いで、社会的関心は亢まりつつあります。必ずや、前記2点を凌駕する可能性を秘めています。もし凌駕するとすれば、それは人の中枢神経系への科学的アプローチの前進の賜物以外には、ないでしょう。「科学的アプローチ」、これは絶対的に譲歩不可能です。 小医は、生涯の職業として、「精神医学」を専攻し、早くも53年が経過しました。小医が医師になった時点で、「ベンゾジアゼン系誘導体(以降、ベンゾと呼称する)」はとっくに実用化されていました。世間で言う「精神安定剤」は大半はこの「ベンゾ」であることは明白です。尚、「精神安定剤」は「マイナートランキライザー」とも呼称されています。そして尚且つ、現在に至るも、「精神安定剤」は「ベンゾ」がメインどころか、メインそのものなのです。この「ベンゾ」の最大のメリットは、その副作用の少なさにあります。軽い眠気やめまい等ですが、内蔵には副作用皆無です。 デジタライゼーションがこれほど進歩しても「精神安定剤」は53年前と全く同じ「ベンゾ」しかないのです。驚かれませんか??これは何を意味するのでしょうか?「不安、イライラ、憂鬱、緊張、パニック」に即効的に有効な精神薬物は、この「ベンゾ」しかない、のが実情です。あまりにも進歩がない現実に驚嘆されませんか?(尚、全ての睡眠導入剤もこの「ベンゾ」なのです。最近は「ベンゾ」以外も出て来ていますが、評価はまだ先です) 現代病たる「不安、イライラ、憂鬱、緊張、パニック」に即効的に有効な薬物は、この60年間以上、ただただ、この「ベンゾ」のみであることを、ここで強調しておきます。精神薬としての進歩が、皆無なのです。「精神安定剤」「マイナートランキライザー」に関しては60年間ただ一つの進歩さえないのです。 (INTERMISSION ) さて、即効的に有効な精神薬は、本当はあと一つ存在します。「ベンゾ」以外にもただ一つ存在します。それは何でありましょうか? 即ち、回答は簡単明瞭、皆様に身近な、アルコールなのであります。小医の視点からの発想では、アルコールは、先程の「不安、イライラ、憂鬱、緊張、パニック」に即効的に有効な「精神安定剤」「マイナートランキライザー」そのものなのです。 実に多くの方々が(数百万人?)アルコールを精神薬として愛用しておられます。実際、基本に精神医学的諸問題を抱えて多くの方々が受診されます 精神薬としてのアルコールの最大の特徴は、ただ1点のみ、強調されるべきであります。それは「宿痾の如く極めて克服不可能な高依存性」 その事実1点のみであります。その依存性の脅威は、人類にとり、最悪の伝染性疫病の脅威に匹敵します。 閑話休題 これほどのデジタライゼーションの進歩の中、こと「精神安定剤」「マイナートランキライザー」に関する限り、我々、心療内科、精神科医療の世界では、この60年間以上、即ち半世紀以上、「ベンゾ」以上に有益な精神薬を手に入れていません。睡眠導入剤についても然り、です。一時期期待されたSSRIは、即効性皆無の薬物です。副作用が、「ベンゾ」に比し顕著に出ます。非常に取り扱いの困難な薬物です。SSRIは、気軽に処方出来るものではありません。尚、「ベンゾ」の最大のメリットは、繰り返しますが、副作用が極めて微小な事にあります。眠気、ふらつき、程度です。また、対象患者数がSSRIとは比べられないほど裾野が広く膨大です。 今後、「ベンゾ」以上に有益な精神薬物が出現した暁には、それは、過去のアレクサンダー:フレミングによるペニシリンの発見に匹敵する、エポックメーキングな歴史的発見になります。人類救済の道が広がりまります。何故か?? 何故だかお判りですか?? それは、「真の意味での、ハッピードラッグ」の実用化になるからなのです。「真の意味でのハッピードラッグ」とは、厚労省認可で医療機関常備薬、保険適用、安価で副作用も少ない、即ち、これが正に「ベンゾ」に近いものなのですが、これを更に更に洗練された、恐らく化学構造式の異なる、薬物であろうと思います。 この「真の意味での、ハッピードラッグ」の実用化、普及が実現化された場合は社会の激変が予想されます。それは、 アルコールを飲まなくて済む人が増加する、脱法ドラッグが不要になる、と言う訳です。 かつて、リタリンと言う精神薬が厚労省認可で保険適用、使用されていました。「鬱病に処方可」でした。しかし、覚醒剤に近い化学構造式で、約15年前に使用禁止になりました。これは覚醒剤に近い化学構造式を持つ精神薬で、厚労省が嫌いました。 ちなみに、小医のクリニックは、九州全体でナンバー1のリタリン処方量の多さの為に、横流しの嫌疑を当局からかけられ、徹底的な監査を受けました。無論、結果は横流し皆無でしたが。 「真の意味でのハッピードラッグ」の実現は、鬱病患者のかなりの方々が、救済され、自殺率は低下し、アルコール依存性はかなり減少します。それ以上の眼目は、抑うつ的な、または神経症的傾向の方々の福音となることは、明白です。処方対象患者の拡大は明白です。人類への福音となります。 「ベンゾ」以上の精神薬物の発見、発明は、正にペニシリンの発見に匹敵するエポックメーキングになります。 もう60年間以上「ベンゾ」を処方しているのだから、ボチボチ「ベンゾ」から卒業させてくれよ、と言うのが本音です。尚、SSRIで好成績を「ベンゾ」同等にヒットされている専門家がおられましたら、是非ともご教示下さい。 小医が医師に成り立ての頃には、とっくに実用化されていた「ベンゾ」が、現在でも専門医のメインの武器である現実を鑑みる時に、デジタライゼーションの進歩とは正にコントラストが顕著で、おそらく同輩の抑うつ的な表情も、この中枢神経系への科学的アプローチの困難さが原因していると断言可能、、、、。小医は確信犯であります。 さて、ここからが、本論となります。タイトルをお読み下さいませ。 「聖書」「論語」「精神医学」の3点について、とあります。 「ベンゾ」を超える精神薬の出現は、人々の抑うつや不安を緩和します。うつ病患者、自殺率の低下をもたらすのですから、インパクトは前記2点を超えるでしょう。 「精神医学」なる日本語の響きは、激変いたします。アルコールはかなりの方々には不要となり、肝臓障害を初めとする疾病の減少は明白です。 終わりに近付きましたので、ここで問題点を再度強調させて頂きます。 何故、小医が仕事を始めた53年前の「ベンゾ」が、現在でも最前線で活躍しているのか?? 科学技術の進歩に瞠目する時、精神薬の遅れは何と言う遅々たるスピードなのか?? 中枢神経系への科学的アプローチの困難さは、グローバルな方面で多くの方々に認識して頂きたい。 人類はその叡智により、医学を進歩させ、人々の健康と福祉に寄与してまいりました。 以上、長々と中枢神経系への科学的アプローチの困難さを強調して参りましたが、小医自身は、 「精神医学における研究は、診察室での診療行為それ自身が研究そのものである」 と言う信条の下に連日、患者様に接しております。 「ベンゾ」以上に洗練された薬物の発見、発明に期待しつつ、明日の診療に備えさせて頂きます。 (付記)崇拝する天才精神医学者(小医より4歳お若い)から直接賜わった、 「ULTIMATELY PRECIOUS WORDS」 namely, 「自我は脳の存在意義に直結した機能である」