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コラム | 北九州の心療内科|大里クリニック北九州の心療内科・精神科 大里クリニック

精神鑑定は結果が何故分かれるのか?

本日は、このタイトル(以下テーマと呼ぶ)で、思考を進めましょう。裁判での被告人の精神鑑定の結果が、複数鑑定の場合、しばしば分かれるのは皆様方ご承知のことと思います。小医はこのテーマへの回答を行います。 先ずは、「人間性とは何か?」を問わなければなりません。それには、下記の日本語表現が絶対的に必要となります。 即ち、 「人間性なる日本語は、極めて、複雑怪奇なるものである、解明不可能に近い」 その複雑怪奇のほんの一例として、 鬼面仏心、海千山千、人面獣心、漁夫之利、拱手傍観、手練手管、複雑多岐、虚々実々、玉石混交、意味深長、本末転倒、器用貧乏、喜怒哀楽、鬼畜米英、百鬼夜行、君子豹変、鶏群一鶴、美辞麗句、皮相浅薄、以心伝心、極悪非道、一挙両得、一喜一憂、虎視眈々、深謀遠慮、罵詈雑言、反感苦肉、清濁併呑、千差万別、千思万考、無明長夜、百戦錬磨、虚無恬淡、百家争鳴、百花繚乱、表裏一体、付和雷同、平身低頭、平々凡々、変幻自在、毀誉褒貶、暴飲暴食、放歌高吟、判官贔屓、愚者一得、空理空論、傍若無人、悪因悪果、悪逆無道、悪事千里、 等々の四字熟語を挙げておきます。 それを知った上で、次に進みます。 「人間性」の完璧なる解明には、科学的方法論以外には解決策は見当が付きません。人間の脳には、数千億の脳神経細胞(ニューロン)があり、互いに連結して交信しています。その複雑さが、人間性発露の複雑怪奇の真の理由なのです。 科学的アプローチは着実に実行中ながらも、全容解明にはほど遠い位置にあります。やっとスタートラインが見えて来たかな?と言うのが実情です。 心の作用、人のあり方、行動、思想、嗜好、人間関係の取り方、等々、残念ながら、全てに科学の関与する余地はありません。(しかし、科学的アプローチは着実に実行中であることを、再度述べます) だからこそ、 精神鑑定医は、自己の教育歴、臨床体験、人生体験、学問体験、哲学、文学、嗜好、家庭の教育環境、等々を唯一の「武器」として、被告人の精神鑑定に臨まざるを得ません。 即ち、 そこには、科学的方法論の一片すら、微妙な匂いすら、存在しません。 それ故に、 精神鑑定の結果が、個々の鑑定医により、分かれるのです。正にこれが本テーマへの回答となります。